みーた、ヒモになりたい

ちょっぴりノスタルジックな現役大学生の世界観

さよならポエジーというバンド

朝起きて、携帯を付けた。YouTubeでも開いて音楽聞こうかなーと思った。軽い気持ちだった。

YouTubeで音楽を聴くことは珍しくないけど、まあとりあえずイヤホンつけて適当に探して好きな曲が見つかったらそれ聞きながら頭ふってシャンシャンやって満足げに変なダンスをしながらシャワーを浴びに行って身支度して学校に向かう、これがいつもの朝。別にお目当てのバンドがあったわけでもないが、今日も取り敢えずいつもの感じで踊ろうと思ってた。携帯を付けてYouTubeを開いてホーム画面に表示されるのはLeague of Legendsとかいうクソゲームのオススメ動画ばっかりだったけど、そのまま下にスクロールしていった時に目に入った動画があった。

 

「さよならポエジー 前線に告ぐ(Official Video)」

 

youtu.be

 

なんやこれ、サムネからしておしゃれ動画やんけ、絶対かゆそう。サムネに男女が映ってるMVは大抵前髪長い系ボーカルがギター揺らしながらかゆい歌詞を歌うって相場が決まってるから。

このさよならポエジーとかいうバンドの曲を付けて、ロード中に画面も見ずに携帯をポケットに入れた。左手は音量調節できるようにつっこんだまま顔を洗いに向かった。

 

 

脳が妊娠した。

 

これは比喩とかじゃなくて、いやまあ比喩なんだけどもこれはほんとやばい。とにかくやばい。イントロでくる、ギターのけだるさというかねっとり感。普通にもってかれた。顔洗う前に携帯取り出してMVをなめるように見た。

最近My hair is badとかreGretGirlとか聞いていたせいか歌詞が前に出てくるというか、インパクトのある曲ばかりと触れてきた自分にとってこのここちよいメロディとVo.オサキアユさんのスッと胸に入ってくる声はある意味新鮮だった。

 最近こんな曲あった?無いでしょ。もう顔を洗うのを忘れて普通に見入ってた。洗面台の前で一人で真顔になって、でもなぜか足だけはトントントンってリズムを取ってた。全部が好きだった。

音楽のことは全然分からないし、楽器に触れることだってほとんど無かった人生だから、音楽オタクにとっては「いやいやそれはちがうですぞでゅふふ」って言いたいかもしれないけど許してほしい。拙い言葉で自分が思ったこの曲の素晴らしさを伝えたいがためにからまわりしちゃうくらい、それくらい音楽素人の自分にとって衝撃的な曲だった。

 

赤が青になる様 日々は単調になっていくわ

無傷はふりだしの象徴であるかの如くです

馬鹿が阿呆になる様 日々に変調もさしてないわ

蹉跌は自らの表彰であるかの如くです

 

今でも歌詞の意味はよくわかってない。歌詞にはやっぱり良い悪いの考えがあるだろうし、それこそこの曲の歌詞がいいのかもよく分からない。yonigeの「アボカド」って曲、アボカドってなに?つまりアボカドってどういうことなの?って思ってしまった自分には感性とかなんかその辺のものがたりない気がするんだけども、この曲はなんとなくなんだけど、わかる。わかってないんだけど、わかる。そんな感じの曲。歌詞が穴抜けみたいになってて聞く側に想像させるみたいな曲ちょっとにがてなんだけど、これは嫌な感じがしなかった。

 

緩いというかシンプルといっていいのかわからないこのメロディに日本語の歌詞の被さりが絶妙だと思った。別につらい思いとか寂しい思いとかしてるわけじゃないし曲に共感とかそういうのもないんだけど、なんだろう、胸に来る。寝る前も聞くだろうし明日の朝もきっとYouTube開いてまた履歴から見つけて聞いちゃうんだろう。いつかこの曲を忘れる日が来ても多分また会う気がする。

この曲ならきっと上手く生き残れるわ。